もはや末期状態! テレビのニュース番組で「ポエム」が流れる日が来る!?
「環境問題はセクシーに」
こう言ったのは小泉進次郎環境大臣だ。2019年に開かれた国連の気候行動サミットでの発言である。このような一見意味不明な発言をすることからいつ頃からか小泉大臣は「ポエマー大臣」と揶揄されるようになった。
しかし、この大臣を批判や笑い者にできない事態がテレビのキー局では起こっているのだという。
「ニュース番組のメインキャスターに『なるべく情緒に訴えかけるようなことを言え。そして泣け!』と上層部から指令が来ているのです」(キー局報道部員)
昨今、新型コロナ禍の中にあって「毒舌キャスター」や「辛口コメンテーター」が視聴者から疎んじられる傾向があるという。いわゆる”おうち時間”を過ごす人数が飛躍的に増えている。そのため鋭いことを言う出演者の出る番組は見たくない。なるべく心が穏やかに暖かくなる番組にチャンネルを合わせる傾向が多くなっているそうなのだ。
そこにいち早く目をつけたのが日テレだ。
「News Every.のメインをやっている藤井貴彦が発端です。東日本大震災10年の特別編成番組で現地をリポートしたときに泣いたんですよ。その場面の視聴率が他局の頭ひとつ抜けたんですよ。それを見た編成が『これだ!』と思ったらしいです。それ以来、藤井はことあるごとに情緒的な言葉を並べたり、涙ぐんだりしています」(日テレ関係者)
藤井キャスターの心からの言葉と涙と思っていた視聴者にとっては、にわかには信じ難い言葉だ。
これに気づいた他局もさっそく後追いを始めた。
「うち(フジテレビ)の夕方のニュース『イット!』の榎並大二郎ですよ。千葉県でコロナで入院できず自宅出産した妊婦の赤ちゃんが死亡するという事件が起きたの知ってますよね? そのニュースを伝える榎並が泣いたんですよね。そこの数字(視聴率)がいつも以上に良かった。上層部の指示かって? それ以外ないでしょう」(フジテレビ中堅ディレクター)
動物のワニは相手を騙すためにウソの涙を流すと言われているが、いやはや、ニュースキャスターもそうなのか・・・。
そんな折も折、今度はニュースで「ポエム」を朗読しようという話が某局で持ち上がっているらしい。
「『にんげんだもの』の相田みつを、『くじけないで』の柴田トヨなどを読もうという話があるそうです。まあ手垢は付いていますけどね。アナウンサーが朗読劇をやると馬鹿な視聴者はありがたがるじゃないですか。そこに付け込んでいるんでしょうね」(前出・キー局報道部員)
茨木のり子の『自分の感受性くらい』とか吉野弘『祝婚歌』などを好むアナウンサーも多い。しかしテレビで聞くというのはいささか違う気もするが・・・。
「ポエムっぽかったらいいんじゃないですか」(同)
投げやりな答えが返ってくるのもテレビ局っぽいといえば、ぽい。
いっそのこと”ポエマー大臣”の奥さんである滝川クリステル氏にでもニュース番組に復活登板してもらい、小学生向けのポエム「朝のリレー」(谷川俊太郎)でも読んでいただこうか。